Overview
「誰でも公平に遊べる 3D ブラウザゲーム」を掲げたプロジェクトです。関西スタートアップインキュベーションプログラム「起動(KIDOU)」による国際カンファレンス KIDOU Global Conference(2025 年 9 月・グラングリーン大阪)にて、その構想と技術デモをピッチしました。
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ピッチコンテスト / KIDOU Global Conference
2025.08 — 2025.09
Overview
「誰でも公平に遊べる 3D ブラウザゲーム」を掲げたプロジェクトです。関西スタートアップインキュベーションプログラム「起動(KIDOU)」による国際カンファレンス KIDOU Global Conference(2025 年 9 月・グラングリーン大阪)にて、その構想と技術デモをピッチしました。
Problem
リアルタイム性の高いゲームでは、GPU 性能による描画遅延の差が、そのままゲームバランスの不公平につながります。低性能な GPU では数十〜数百ミリ秒の描画遅延が生じて明らかに不利になる一方、高性能な GPU では画面が即座に更新され、有利なプレイが可能です。同じゲームを遊んでいても、端末の性能によって「不公平」が生じてしまうのです。
PassMark スコアで比較すると、GPU の性能差はエントリークラスとハイエンドで約 37.8 倍に達します。これに対して CPU の性能差は約 2.5 倍程度に収まります。この非対称性に着目し、GPU 依存の描画遅延(体感しやすい格差)を CPU の処理差(体感しにくい格差)へ置き換えるのが、本プロジェクトの中心となるアイデアです。
全端末でグラフィック品質を統一すれば、すべてのプレイヤーが同一条件で競技でき、これまで除外されていた層を含む幅広いユーザーが参加できます。ユニバーサルデザインの第一原則である「Equitable Use(公平な利用)」を設計の軸に据え、グラフィック品質よりも公平なゲーム環境を最優先しました。
Gameplay
ゲーム本体の Arclypse は、三人称視点シューティング(TPS)と陣取りを掛け合わせたルールです。3 つのチームが 12 の陣地を奪い合い、陣地は「10 秒で中立化、さらに 10 秒で占領」と段階的に変化します。制限時間はなく、プレイヤーはいつでも参戦・離脱でき、陣地の占領や敵の排除で得たポイントをランキング形式で競います。
倒されても失うものがない設計により、「やられ損」が存在しません。敵にやられたら、やり返したくなる。そのまま繰り返し遊びたくなる。この循環を生むことを設計のねらいとしています。
Technical
既存のゲームエンジンは GPU 最適化を前提としているため、CPU 描画を前提とするソフトウェアレンダラーを独自に開発しました。言語は TypeScript、ビルドツールは esbuild で、使用している描画 API は Canvas API のみ、WebGL などの GPU 機能は一切使用していません。物理演算には、大阪・関西万博に展示した PIXFORGE のものを応用しています。
プロトタイプでは、同時 10 人プレイの環境で 60FPS を常時維持し、応答性能は INP 110ms(基準値 200ms)を達成しました。解像度の切り替えにも対応しており、WebSocket ベースのマルチプレイヤーサーバー接続のプロトタイプも開発済みです。
Vision
モバイルの普及率は発展途上国でも 80.8% と先進国並みに達している一方、高速回線や高性能なハードウェアへのアクセスには、いまも大きな格差があります。GPU 性能に依存しないこのゲームは、デバイスはあっても高性能なハードを持てないプレイヤーにこそ、最大の価値を発揮します。
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